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山田吉彦

山田吉彦

認証済み

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

補足今回、イラン革命防衛隊が貨物船を乗っ取ったのは、ペルシャ湾の玄関とも言えるホルムズ海峡周辺である。紅海のイエメン沖においてもイエメンの武装勢力フーシ派による貨物船への攻撃も頻繁に起きている。フーシ派はイランによる支援を受けており、イラン革命防衛隊とのつながりも深い。中東とアジア、ヨーロッパを結ぶ航路が極めて危険な状態になっているのだ。 イスラエルに関係する貨物船であっても、船には船籍国があり、船への攻撃は船籍国への宣戦布告に等しい行為だ。また、多国籍の船員が危険にさらされているのだ。 国連海洋法条約では、沿岸国に害を及ぼさない限り通航の重要は認められている。イラン革命防衛隊、フーシ派の武力行動は、国際秩序を乱す攻撃であり、国際社会は厳しく対処しなければならない。また、国際的な海上物流を既に阻害している。世界の人々の暮らしの安寧を考えても、由々しき事態である。

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コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

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