解説スポーツの競技中の出来事ですが、法に触れる行為があれば、処罰の対象戸なる可能性もあります。本件はアメリカでの出来事でしたが、これを日本の刑法に当てはめると、①暴行罪(負傷すれば傷害罪)及び➁威力業務妨害罪に該当します。 ①暴行罪は、人の身体に対して有形力(物理的な攻撃)が加えられ、それが違法となる場合に成立します。今回の行為は、形式的にこれに該当することは確かであり、かつ、具体的な状況において観客の立場でプレー中の選手の行為に手を出すことは違法です。また、選手が擦り傷や打撲などの傷を負った場合は、傷害罪です。 ➁威力業務妨害罪は、他人が行っている業務を、その人の意思を制圧するに足りるような力(勢力)を用いて妨害した場合に成立します。選手のプレーが業務に該当することは確かであり、飛び込んだ選手の腕をつかむ行為は、本罪の勢力と認められるものです。
コメンテータープロフィール
旅行会社勤務を経て29歳で立命館大学に入学し、3年生の時に司法試験に合格。卒業後は京都大学大学院法学研究科に進み、刑事法を専攻。2005年に近畿大学法学部専任講師となり、現在は教授。2011年から2012年にかけて、ドイツ・アウクスブルク大学客員教授を務める。専門は刑事法全般(特に刑事訴訟法)。著書は、『刑事訴訟法』、『刑事手続における審判対象』、『刑事弁護の理論』(全て単著)。法学博士。趣味は洋画鑑賞、水泳、見る将(大山・中原時代からの筋金入り)。
アクセスランキング
- 1
あれ?藤田ニコル 披露宴でエスコートした父が意外な大俳優だった!「一緒に歩いてる時に胸がぎゅっと」実の父は3歳で離婚
デイリースポーツ - 2
【全文】「心が折れた」登録者448万人YouTuberメンバー長期活動休止発表「全く笑えなくなっちゃった」理由も吐露
デイリースポーツ - 3
伝説ヒット曲の5人組ロックバンド メンバー4人が1人を訴える泥沼訴訟劇告白 5年経て和解もわだかまり残す ファンは「1/3も伝わらない」
デイリースポーツ - 4
巨人 退団報告から異例の再契約へ 戦力外通告の直江大輔が1週間で復帰へ「ジャイアンツと再契約することになります」
デイリースポーツ - 5
田崎史郎氏「178万円は無理なんです。国民民主も分かっている」103万円からの引き上げ「その間で決着する」
デイリースポーツ