補足老人福祉法などの法制度では「老人」「高齢者」の年齢に関する定義はありません。それは、老化や加齢による変化は個人差が大きいためです。 国際的な人口統計などでの区分では、65歳以上を便宜的に「老年人口」などとしており、そこから65歳以上=高齢者と認識されるようになったに過ぎません。 実際、わが国でも80年代の老齢年金は男性が60歳から、女性は55歳から受給可能でしたし、現在の高齢者医療確保法における医療の対象は75歳以上など、時代や分野によってその定義はさまざまです。 一方、医学•公衆衛生分野の研究では、わが国の高齢期の心身機能は、90年代と2010年代で比較すると「10歳程度の若返り」が生じているとの報告が多数あります。この意味で、諮問会議での提言は納得できます。 ただし、このことが、高齢期の社会保障の受益者となる年齢層を引き上げる議論、定年制の見直しの議論に繋がることは間違いないでしょう。
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コメンテータープロフィール
1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。
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