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高野龍昭

高野龍昭

認証済み

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

補足高齢者にとって「生活の継続性」「社会関係の継続性」は最も重要です。この意味で、記事で報じられている松本ミサさん(101歳)が慣れ親しんだ地域に設置された仮設住宅に入居したのは、望ましいことです。 全国有数の高齢化が進んだ地域で発災した今回の能登地震では、過去の災害での課題を踏まえ、仮設住宅が被災前の生活・社会関係(コミュニティ)の継続を念頭に置いた設置・運営の一定の配慮がされていると感じられます。このことも松本さんの今後の生活にとってプラスの側面となるでしょう。 ただし、災害救護法に基づく応急仮設住宅は、供与期間が原則として2年間となっています(最近の災害では多くの場合で延長されていますが)。つまり「2年後にどうするのか?」という懸念が残り続けるわけです。 この意味で、被災地での高齢者支援・住まいとコミュニティの継続や確保は、中長期的な視点が必要となります。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 太田差惠子

    介護・暮らしジャーナリスト

    補足阪神・淡路大震災では、本来の居住地に関係なく仮設住宅が割り振られたことからコミュニティが分断、消滅し…続きを読む

  • 中澤幸介

    危機管理とBCPの専門メディア リスク対策.com編集長

    提言コミュニティを分断させないことは被災生活の上でとても大切なことですが、それらをすべて自治体の責任で行…続きを読む

コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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