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高野龍昭

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東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

補足高額療養費制度は、医療費(保険診療)の自己負担分が一定の基準額を超えて高額になる際、基準額を超える部分を償還払い(払い戻し)とする負担軽減策として1973年に始まりました。その後、基準額が累次に引き上げられたり、事前手続きによって現物給付(最初から一定額を超える自己負担を窓口で支払う必要がない方式)が可能になったりしながら、今日に至ります。 医療の「給付と負担」の議論、すなわち財源逼迫によって、今回は中高所得階層の基準額が引き上げられ、負担増となるわけです。財政状況を考えると、やむを得ない見直しと言えますが、中高所得階層とは言え、この水準の負担は相当に厳しいかも知れません。民間の医療保険への加入•補償拡大などの対応を検討する方も多いでしょう。 なお、血友病やHIVなどで長期に高額療養費の対象になるケースは、別途(特定疾病療養費)に月額の自己負担が1〜2万円に抑えられる施策があります。

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  • 真野俊樹

    医師/中央大学大学院教授/多摩大学大学院MBA特任教授

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コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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