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高野龍昭

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東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

補足老人ホームに入居中の高齢者も、年末年始には外泊という形で家族の住む自宅で過ごすケースがあります。そのことが高齢者•家族の双方に良い効果を与えることが少なくありません。 しかし、その外泊の間は、原則として介護保険制度による居宅サービス(ホームヘルパーや訪問看護、デイサービスなど)は利用できず、家族等が介護を担うことになります。 記事は「署によると(容疑者である娘が)『母に落ち着いてほしかった』と殺意を否認している」と報じていますから、外泊中に何らかの混乱(おそらく環境変化による「せん妄」もしくは認知機能障害による「行動心理症状」など)が生じ、それに家族(娘)がうまく対応できなかったとも推測されます。 施設での高齢者介護において、外泊や外出は重要なケアのメニューのひとつですが、その準備はしっかりと行う必要があると言えるでしょう。そのうえで、束の間のお正月の家族団欒を楽しんで欲しいと思います。

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  • 太田差惠子

    介護・暮らしジャーナリスト

    見解「お正月は自宅で迎えさせてあげたい」と考える家族は多いでしょう。「帰らせてあげないと、かわいそう」と…続きを読む

コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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