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高橋和夫

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

報告

イラン製ドローンのロシアによる使用は、欧米諸国の強い反発を引き起こしている。イランは、ウクライナの戦争では明らかに侵略者であるロシアに加担した格好になっているからだ。これが、イラン核合意の再建交渉に悪影響を与えている。バイデン政権は、トランプ大統領が離脱した核合意への復帰を掲げ交渉を続けて来た。ほぼ合意案は固まっているとされるが、今年の夏以来、最終段階で交渉は停滞している。世界はイランのエネルギーの国際市場への復帰を望んでいる。しかしロシアへの兵器輸出がイランのイメージをさらに悪くしている。バイデン政権は、イランとの交渉がますますやりにくくなっている。つまりウクライナの戦争はイランとの交渉の必要性を高め、同時に、その交渉をさらに政治的に難しくした。加えて9月以来のイランにおける大規模な抗議行動がある。イラン製のドローンは、ウクライナの人々ばかりでなく核合意再建交渉の将来をも脅かしている。

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コメンテータープロフィール

高橋和夫

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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