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高口康太

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ジャーナリスト、翻訳家

報告

見解中国・蘇州で発生した日本人親子襲撃事件は、中国社会に潜む闇を浮き彫りにしています。中国では近年、通り魔や無差別殺傷事件が頻発していますが、その多くは動機が不明のままです。裁判で動機が明らかになる場合でも、離婚や投資の失敗など、個人的な問題として処理される傾向にあります。 しかし、本当にそうなのでしょうか? 近年、中国社会では、鬱屈とした社会への不満を弱者にぶつける「社会的報復」という見方が広がっています。蘇州の事件も、単なる個人的動機による犯行ではなく、社会に対する深い絶望や怒りが背景にある可能性があります。本当は何が起きているのか、何が事件の要因となったのか。我々日本人も、そして多くの中国人も知りたい事件の深層は、裁判だけで明らかになることはないでしょう。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 中島恵

    中島恵認証済み

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    ジャーナリスト

    見解中国駐在の日本人や日本社会に大きな衝撃を与えた事件でした。一方、中国での報道は限定的でした。今回、犯…続きを読む

  • 阿古智子

    東京大学 総合文化研究科 教授

    提言この裁判は、日中が相互に自国で暮らす人たちの命と生活を守るために必要な情報を得るチャンスにもなる。裁…続きを読む

コメンテータープロフィール

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。二度の中国留学を経て、中国を専門とするジャーナリストに。中国の経済、企業、社会、そして在日中国人社会など幅広く取材し、『ニューズウィーク日本版』『週刊東洋経済』『Wedge』など各誌に寄稿している。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。

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