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助川成也

助川成也

認証済み

国士舘大学政経学部教授/泰日工業大学客員教授

報告

補足タイの日系自動車企業は今年が踏ん張り時。しかし、その間も中国EVメーカーの攻勢は続く。BYDも明日7月3日に工場の稼働を開始する。広州汽車子会社のAIONは今月中旬にも工場が完成し、本格稼働を待つばかり。  これはタイ国内の話ばかりではない。他のASEAN各国にも影響する話である。中国はタイ拠点を内需に加えて、輸出拠点として利用する計画。中国製EVがタイ製中国ブランドEVへと看板が架け替えられ、タイのFTAを使って輸出する計画である。これまでASEAN各国は、中国製自動車を高関税を課すことで(FTAから除外品目とすることで)輸入を阻止してきたが、看板がタイ製に架け替えられると、水際ではもはや止められない。今後、自動車産業の混乱は、タイのみならず、ASEANに拡大していくことになる。

コメンテータープロフィール

助川成也

国士舘大学政経学部教授/泰日工業大学客員教授

専門はタイを中心とした東南アジア経済、FTA等の通商戦略。東アジア共同体評議会有識者議員。1992年よりジェトロ(日本貿易振興機構)勤務。タイ・バンコク事務所主任調査研究員、海外地域戦略主幹(ASEAN)など20年にわたり東南アジア関連業務に従事。2017年に国士舘大学へ。20年に現職。2022年よりタイ・バンコクの泰日工業大学(TNI)の客員教授を兼ねる。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)

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