見解毎日放送さんの今回の調査が事実とすれば、取材先に「ウソの内容を完全に仕込まれてしまった」ということになります。こうした取材・放送経験が長い私から言わせてもらえば、取材先にここまで欺かれてしまっては、残念ながらテレビ制作者側にはなかなか見抜くことは難しい、と言って良いと思います。 たぶん「ウソをついてでもテレビ取材を受けたい」と思うような取材先を避け、業界内でも実績のある信頼できる取材先を選ぶことが、最良にしてほぼ唯一に近い対策だろうと思います。 こうした事案が起こると、他局も含めて業者への密着取材自体を放送することに局の上層部がどうしても抵抗感を抱くことになり、そうした企画実現のハードルが高くなってしまいます。そういう意味でも非常に悲しいです。
コメンテータープロフィール
92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教を取材した後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島やアメリカ同時多発テロなどを取材。またABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、テレビ・動画制作のみならず、多メディアで活動。公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究。近著に『腐ったテレビに誰がした？ 「中の人」による検証と考察』（光文社）
