解説権力関係で優越している県政のトップを問題を告発すると、全職員に分かるような形で告発した個人に対して懲戒処分を行うという、ある意味で権力者からの報復行為とも解釈される可能性がある不利益を個人がこうむる。そうしたこの知事の下の県庁の在り方はどうなのか、という意見にはうなずく方も多いであろう。 こうしたパワハラの職場は、この県庁だけではないかもしれない。多くの方がこの兵庫県知事の問題に関心を持っているのは、自分たちの職場にも同じ問題があると考えているからだろう。 およそ県民「全体の奉仕者」である公務員が、知事など上長のものだけに奉仕し、告発した人間に対する報復まで行う、そして一個人を自死にまで追い込む、それが県庁であってはならない。そうした県庁の職場環境を作り出すとしたならば、その長の責任は重大である。 どのように、県庁の職場環境の改善も行われるのか、注目したい。
コメンテータープロフィール
日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。
白鳥浩の最近のコメント
アクセスランキング
- 1
「悪循環に陥った最悪のホークス」なぜソフトバンクは歴史的打撃不振で横浜DeNAに3連敗を喫して崖っぷちに追い込まれたのか…最強軍団を襲った“ジャッジ病”とは?
RONSPO - 2
『あさイチ』出演俳優の“激変”ぶりにMC&ネット衝撃「本物ですよね?」「ゲスト史上1番ビックリ」
ENCOUNT - 3
「モーニングショー」玉川徹氏、コメントする長嶋一茂に指摘…「さっきから…すごい気になる」
スポーツ報知 - 4
東京都内「ネズミ」増殖が止まらず、マンション上階も標的に…家庭で対策しても「完全駆除が困難」な絶望的現状
弁護士JPニュース - 5
「戦友の死体の下に隠れて生き延びた」…唯一の生存北朝鮮兵士と推定される人物の映像が公開
中央日報日本語版