解説「派閥なき総裁選」の幕開けである。 過去最多の9人が届け出たという。 この人数自体で派閥解体の影響が大きく出ているといってよい。 また、一つの派閥から二人出るという事例も、茂木・加藤、林・上川といった各氏の出馬によって起こっていることも焦点だ。 さらに、今回「刷新感」が問われているが、第一に若さ(小泉、小林)、第二にジェンダー(高市、上川)、第三に岸田政権から遠い人(石破)、というそれぞれの軸で、集票を行うと考えられる。 「総裁選」は「首相選」でもある。注目だ。
コメンテータープロフィール
日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。