解説同様に維新系の首長ということもあり、兵庫県知事選挙の「パート２」といったところか、というむきもあるだろう。 兵庫の場合には、「知事の資質」を、この岸和田の場合には、「市長の資質」を議会から厳しく糾弾されることで不信任案が可決することとなった。 兵庫の場合には、知事は「自らの知事職の失職」を、岸和田の場合には、市長は「他人である議会の解散」を選択したというところが異なる。 自分の資質の問題を問われる中で、議会を解散するということにはどういった意味があるのだろうか。しっかりと説明責任を果たす必要がある。 自らの法的な問題や責任を明らかにするのであれば、裁判所に臨むべきであり、そちらであれば、市民の税金を使用することはない。 自らの資質の問題で市民の税金を使用することとなる、この市長の行動をどのように有権者が判断するか。それも問われていく。今後の展開に注目である。
コメンテータープロフィール
日本政治法律学会理事長。博士（政治学）。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。
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