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白鳥浩

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法政大学大学院教授/現代政治分析

報告

解説石破首相は「熟議の国会」をアピールした。 しかしながら、およそマルクス主義者の流れを受けたフランクフルト学派の第2世代であるJ・ハーバーマスが想定する「熟議民主主義」というのは、与野党双方がお互いに譲り合いながら実現することを要件とするはずだ。 数合わせのために野党の要求を場合によっては丸呑みすることは「熟議民主主義」という定義には当てはまらないといえる。 むしろ、与野党双方の合意を実現するためのトップ会談というところで、合意形成を行いながら結果を出したというのであれば「熟議民主主義」ではなく、A・レイプハルトが言う「合意型民主主義」というほうが、近いと考える。 「一強多弱」による数が頼みの対決型の「多数決型民主主義」から、「与野党伯仲」により「合意型民主主義」へと変わったということに力点があるべきである。

コメンテータープロフィール

白鳥浩

法政大学大学院教授/現代政治分析

日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。

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