解説事前の市場の予想通り、利上げは見送りとなりました。外国為替市場で円安が進行していることもあり、いずれ実施するのではあれば、このタイミングで利上げしてもよかったと思えますが、日本銀行の姿勢は意外と慎重でした。金融市場、海外経済、来年の春闘の状況を見極めたうえで、改めて判断する方針だと思われます。 国内景気や物価の動きは、おおむね日本銀行の想定通りに推移しており、次回1月か3月の金融政策決定会合での利上げが検討されることになりそうです。来年の米国での利下げペースが年0.5%程度と緩やかなペースにとどまる可能性が高まっているため、米国に逆行して利上げをする日本銀行にとっては利上げに踏み切りやすい環境になったといえます。しかし、年明け後は米国のトランプ政権の政策の行方を巡って、海外経済の下振れリスクが高まるなど海外経済の不確定要素が増加するため、金融政策のかじ取りは一段と難しくなる見込みです。
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コメンテータープロフィール
90年3月一橋大学社会学部卒、同年4月日本長期信用銀行(現SBI新生銀行)入行。外資系資産運用会社を経て99年12月三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。以来マクロ経済/金融調査を専門とし、現在は国内経済を統括。東京外国語大学非常勤講師(2003年度~2011年度)、参議院客員調査員(2005年9月~)。BSテレ東「NIKKEI NEWS NEXT」・日経CNBC「昼エクスプレス」レギュラーコメンテーター、NHK、民放テレビ各局への出演、日本経済新聞など有力紙、専門誌への寄稿多数。ESPフォーキャスト調査、2018/2020/2021/2023年度優秀フォーキャスター。
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