補足パワハラが問題となるとき、指導者側が「業務上、必要で相当な範囲だったと認識していた」と主張することはよくあります。しかし、人格を否定するような発言や過度に長時間の叱責などは、業務上の必要性がなく、相当性を著しく欠くとして、違法なハラスメントにあたります。 違法なハラスメントというのは、単に"相手が不快に感じた"ということではなく、社会通念上許容される範囲を超えているということです。暴力や暴言が指導として許される場合は考えにくく、行為者は指導のつもりであったとしても違法なパワハラになります。 指導の相手が不快に思っただけなのか、指導に違法性が認められ得るものだったのかには大きな差があり、当事者も会社もそこを区別して適切な対応をする必要があるでしょう。
コメンテータープロフィール
神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。
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