解説ベラルーシの国営メディアの報道は、日本語教師だった中西雅敏さんを「スパイ」と断定するような印象操作を行っている。このような表現がある。 「彼は道路、橋、駅や空港など戦略的場所の詳細に撮影した。このような画像は衛星から取得できない」 「ウクライナとの国境に行って写真を撮った」 「チェルノブイリ原発事故の影響にも興味を持った」 「領事館員と頻繁に会っていた」 「中国の一帯一路についても関心を持った」 「6年間に滞在中に潜入活動に関する情報を詳細にノートに書き留めた」 「尾行されているかどうかを確認するために慎重に行動した」 外国情報機関に詳しいベの専門家のコメントもつけられ、「この工作員は日本で訓練を受け、ベラルーシに派遣された」のだという。 日本には民間人がスパイの訓練を受ける機関などない。情報工作員との前提でのストーリーが組まれ、中西さんの一つ一つの行動が紐づけられていることがわかる。
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)