解説プーチン大統領サイドがどのように反応しているか? 結論から言えば、バイデン政権を非難している。米共和党内の一部から出ている反応にも似ている。 ペスコフ大統領報道官が露国営通信の緊急電話インタビューにこう答えた。 「トランプ氏を排除し、信用を傷つけるような試みが何度も行われていた。彼の生命が危険にさらされているのは明らかだった」 「米国の現政権がトランプ氏に対して作り出した雰囲気が、彼への攻撃を引き起こした」 「米国の選挙にロシアは干渉するつもりはない」 「プーチン氏は直近で、トランプ氏に電話する計画はない」 「モスクワは、今回の暗殺未遂事件で亡くなった遺族に対して哀悼の意を示す」 トランプ氏暗殺未遂事件直後に出た露の反応は、ウクライナでの戦争の行く末や米大統領選挙後のプーチン政権の態度を分析するうえで、重要だ。 「当選すれば、戦争止めてみせる」と話すトランプ氏を援護しているようにも見える。
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コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)