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佐々木正明

佐々木正明認証済み

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大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

報告

補足ナワリヌイ氏の獄中死には当初から不審な点があったのは事実だ。それだけプーチン政権にとって厄介な存在だった、 連邦刑務局はナワリヌイ氏が死亡した直後に「散歩後に意識を失った」「緊急措置がなされたが蘇生しなかった」などとスムーズに発表を行った。当初から自然死に見せかけようとしていた。 数日前から刑務所内の数台のカメラが作動していなかった。遺族になかなか遺体を渡そうとしなかった。 ようやく引き渡しても、遺族が独自で行う検死をさせまいと圧力をかけた。 妻ユリア氏は猛毒のノビチョクを盛り、その痕跡が消える工作のためだったと言った。当局は死因に犯罪性はないと発表した。 私はナワリヌイ氏の葬儀が行われたとき、隣国ジョージアにいた。 ここにも彼の死を悼む大勢の亡命ロシア人が集まり、「私たちは祖国の希望を失った」と涙する人の声を聞いた。 あの献花の列は、いずれロシアで起きる歴史のうねりの前兆現象だと思う。

コメンテータープロフィール

佐々木正明

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)

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