解説ロシアの侵略戦争はまたこうして再拡大していく。攻撃目標が「緩衝地帯」だろうが何だろうが、プーチンはウクライナの領土を欲していることを示している。 9日の対独戦争記念日の後、ウ北東部ハリコフ周辺で突如として露軍が始めた奇襲。兵員と武器の不足に悩まされるウクライナ軍は後退している。 11日、ウ国境警備隊オメガ特殊部隊は、露軍の圧力によってウ側がハリコフ北部の一部の陣地を放棄せざるをえなくなり、露軍が1つの集落を奪ったことを認めた。 そのカギは3月のプーチン氏の演説にある。露領内の軍事関連施設などにウ側からの砲撃が相次いでいることを踏まえ、「ウクライナ軍によるロシア領土への砲撃が続けば、ロシアはウクライナ領土内に『衛生地帯』（санитарной зоны）を創設することを検討する」と訴えた。 ウはハリコフへ兵力を増加し、防戦。露側によると、露軍施設が集中する露側ベルゴルドへ攻撃を行っている。
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コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科（現・大阪大学）卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」（扶桑社新書）「環境テロリストの正体」（新潮新書）。近著は「動物の権利」運動の正体（PHP新書）
