解説ジョージアは国土の20%をロシアに支配されている。これまではウクライナにも人道支援を行い、義勇兵もウ軍に加わり、露軍と戦ってきた。 また首都トビリシには徴兵を嫌った若いロシア人男性もかなり避難している。 私が今年3月に出向いたときは、ウ避難民が街でデモを行い、露反体制指導者ナワリヌイ氏の追悼集会も行われた。 何故、新欧米路線を破棄したかと言うと、政治と経済のパラドクスがあるからだ。 隣国ロシアは人口1億4000万人、ジョージアは400万人しかいない。露は欧米の制裁で世界から輸入していたワインや乳製品が手に入らなくなった。 そこでジョージアの親露実力者のイワニシビリ氏の一派が暗躍し、露への輸出を伸ばしたのだ つまり戦争下では、露への販路を断ち切るのではなく、拡大した方が家計が潤う。先の選挙でそう判断した有権者が多かったのだろう。 今後、ゼレンスキー政権にどのような態度を取るのかがポイントだ
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)
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