補足まずは現場の皆さま、本当にご苦労様です。1日も早く、問題の状況が解消されることを願います。 ただ、観光客が悪意に満ちた存在であるとみなすことでは、問題の解決に至りません。 看板は、意外に視認されていないものです。言語の問題もあるでしょうが、日本語母語話者であっても、看板や注意書きをうっかり見落としていることは結構あるはずです。 能動的な情報探索は、そもそも興味・注意が向かない限り行われません。観光客は見るものの多くが新鮮な状態なので、なおさらです。 また、誰かがすでに入った状態であると、注意書きがあったとしても「大丈夫なんだな」と判断してしまうことも、外国人に限らない人間の心理です。 これも当事者にとっては本当に大変なことですが、警備員やボランティアガイドの声かけなど、「罰金」という警告だけでなく、現地での誘導なども実施する必要があるかと思います。
コメンテータープロフィール
1983年生まれ。専門は、観光社会学、メディア・コンテンツ論。アニメの聖地巡礼やゾンビを中心に、観光とメディア、現代文化、情報社会に関する研究を進めている。VTuber「ゾンビ先生」の中の人でもある。北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院 観光創造専攻 博士後期課程修了。博士(観光学)。著書に『巡礼ビジネス』(KADOKAWA)、『大学で学ぶゾンビ学』(扶桑社)、『アニメ聖地巡礼の観光社会学』(法律文化社)、『ゾンビ学』(人文書院)、『ゆるレポ』(人文書院)などがある。
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