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岡部正勝

岡部正勝認証済み

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京都産業大学法学部教授/元警察官僚

報告

見解政府が、闇バイト対策の閣僚会議決定を行ったことは、非常にタイムリーであり、その迅速な実施が望まれます。  特に、「雇われたふり作戦」(仮想身分捜査)の導入は、画期的な捜査手法を日本警察にもたらすものとして注目に値します。  さらに、今回注目すべきは、「違法な」募集情報の明確化です。従来、ネット上の情報については、情報自体が違法である「違法情報」(規制薬物取引など)と、違法とまではいえないが有害な「有害情報」が区別され、いわゆる「闇バイト」は、「有害情報」のうち、「重要犯罪密接関連情報」とする運用が昨年から行われてきました。しかし、「有害情報」という括りですと、削除を行うSNS事業者が、削除すべきか迷う、削除をためらう、といったことが懸念されていました(情報自体が違法なら、削除判断に迷いはなくなります。)。  政府が、一歩踏み込み、ネット情報の「違法化」を行うことは、高い評価に値します。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 京師美佳

    防犯アドバイザー/犯罪予知アナリスト

    見解闇バイトを減滅するのに必要な対策だと思います。警察がサイバーパトロールで注意喚起や闇バイト募集のアカ…続きを読む

  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    解説SNS上の闇バイトの募集から、犯罪に加担する者があとを絶たない状況のなか「仮装身分捜査」による「雇わ…続きを読む

コメンテータープロフィール

岡部正勝

京都産業大学法学部教授/元警察官僚

1965年生。東京大学法学部卒。1990年警察庁入庁。中央の警察庁勤務のほか、第一線の都道府県警察の勤務経歴も豊富で、福岡県警察及び香川県警察で警察本部長を、大阪府警察では副本部長を勤め、九州管区警察局長を最後に退官、2024年4月から現職。この間、在フランス日本国大使館の警察アタッシェ、内閣官房勤務のほか、慶応義塾大学総合政策学部教授、武蔵野大学法学部客員教授、早稲田大学ロースクール講師、東京都立大学法学部講師としても勤務するなど、アカデミアでの教歴も豊富である。講演、論文等多数。

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