見解セキュリティリスクを経営層などに訴えかけるために、サイバー攻撃の被害にあうと「株価が下落する」とされることが多いのですが、実態としては一時的な下落はあるものの、株価はすぐに回復することが多く経験豊富な投資家には「押し目買いのチャンス」と捉えられるのが実情です。 今回のKADOKAWAグループの大幅な下落は6月17日ですが、この日は日経平均自体が欧州の政局不安で一時3万8000円割れ、700円を超える下落となっており相場全体が大きく売られた日でもあるため、純粋にサイバー攻撃の影響がどの程度株価に影響を与えたのかは不明です。 現時点では3,019円まで回復していることもあり、日経平均全体の下落に引きずられたと考える方が自然だと思います。 しかし、サービス復旧までの期間が長期化し、収入減に繋がるということになれば、収入減を理由とした株価下落が発生するリスクは今後もあると考えられます。
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コメンテータープロフィール
通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。
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