解説まだまだ世界トップで戦える状態での現役引退となりました。26年五輪もメダルが期待されていたので、電撃引退と思われるかも知れません。 しかし、2014年に全日本選手権で初のメダルを獲得してから、10年にわたって全日本の表彰台に上がり続けてきました。それだけでも、フィギュアスケートの一般的な選手寿命から考えれば、類まれなる功績です。 世界ジュニア選手権に4大会連続出場、そして世界選手権には9年連続のエントリー。その間には、羽生さんだけでなく、小塚崇彦さん、無良崇人さん、田中刑事さんらと共に全日本の表彰台に乗りました。そして、ハビエル・フェルナンデス、ネイサン・チェンらと共に五輪の表彰台に立ちました。 これだけの長い間、盟友たちの引退を見送りながら、モチベーションを維持してきたのです。そして後輩たちの刺激となり、スケート界を発展させてきました。感謝の言葉しかありません。
コメンテータープロフィール
元毎日新聞記者。自身のフィギュアスケート経験を生かし、ルールや技術、選手心理に詳しい記事を執筆している。日本オリンピック委員会広報としてバンクーバーオリンピックに帯同。ソチ、平昌オリンピックを取材した。主な著書に『羽生結弦 王者のメソッド』『チームブライアン』シリーズ、『伊藤みどりトリプルアクセルの先へ』など。自身はアダルトスケーターとして樋口豊氏に師事。11年国際アダルト競技会ブロンズⅠ部門優勝、20年冬季マスターゲームズ・シルバー部門11位。