見解共産党の党員の高齢化を象徴するような事故。亡くなる方が出なかったことは不幸中の幸いでした。高齢運転者による自動車事故が社会問題になっている以上、85歳の党員に党の車を運転させることは避けた方がよかったのではないか。これは日々の赤旗の配達についてもいえること。公党である以上、社会的な責任があるはずで、今回の事件について謝罪するだけでなく、再発を防止すべく全党的な点検が求められます。 それにしても、共産党は世代交代が急務です。副委員長の浜野忠夫氏は90歳を超え、同じく市田忠義氏は80歳を超えます。「試されずみの幹部」などという表現で、高齢幹部の居座りを容認してきました。今回の衆院選での敗北を受けて、党幹部から大胆な世代交代を進めるべき。党員や赤旗の拡大を軸とする党建設の重視など古い成功モデルから抜け出せない一因は、党幹部の高齢化にあるように思われます。党再生のラストチャンスは近づいています。
コメンテータープロフィール
専門は日本政治外交史、現代日本政治論。近著に、『自民党―「一強」の実像』中公新書、『自公政権とは何か』ちくま新書、『日本共産党』中公新書など。