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中北浩爾

中北浩爾

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政治学者/中央大学法学部教授

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見解派閥解消なんて、中学校の先生が「クラスのみんなで仲良くしましょう」というのと一緒。そんな教師の建前とは別に、クラス替えが行われると、生徒は誰もが「友達作り」=「グループ作り」を始める。理由は簡単。「ぼっち」になりたくないから。 宏池会の会長だった大平正芳首相が、「人間が三人集まれば、二つの派閥ができる」と語ったことは有名です。大平首相は「共産党などのように窮屈な堅い政党では国民多数の要望を受け止めることができない」とも書いています。岸田首相は、自民党に共産党のような民主集中制でも導入したいのでしょうか。そうでなければ、派閥なき後の自民党のガバナンスをどう考えているのでしょうか。そうしたプランなくして、派閥解消だけ先行させるのは、無責任ではないかと思います。 この問題の本質は「政治とカネ」。会計責任者と監督する立場の政治家の連座制を導入しないのならば、岸田首相の決断はまやかしでしょう。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説「派閥解散」、これは掛け声だけの可能性がある。 他の「派閥解散」へ続く、岸田首相の「岸田派解散」発言…続きを読む

コメンテータープロフィール

中北浩爾

政治学者/中央大学法学部教授

専門は日本政治外交史、現代日本政治論。近著に、『自民党―「一強」の実像』中公新書、『自公政権とは何か』ちくま新書、『日本共産党』中公新書など。

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