見解居酒屋チェーンとしては国内最大クラスの店舗数になった鳥貴族は、今後もまだまだ出店余地はあるのだが、持続的な成長戦略を描くためには、今から海外への布石は重要であろう。成長しているチェーンストアにとって、市場飽和は大きな壁になるため、常に次なるフロンティアを持っていることが成長にとっても、従業員のモチベーションにとっても、極めて重要である。その点、鳥貴族は準備を怠らず、インバウンドの環境なども背景に、海外へ着実に布石しており、期待が出来る。鳥貴族は、フランチャイズのやきとり大吉をグループ化して、大吉の事業承継と鳥遺族社員の独立とを組み合わせたキャリア制度構築にも着手しており、周到な手順を踏んでいるところも注目であり、今後の展開が楽しみな企業である。
コメンテータープロフィール
みずほ銀行産業調査部で 小売・流通アナリストに10年以上従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、慶應藤沢イノベーションビレッジでベンチャー支援活動を開始。並行して、流通関連での執筆活動を継続し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、コメント提供、講演活動などを実施中。2016年よりITmediaビジネスオンライン「小売流通アナリストの視点」、2021年よりビジネス+IT「流通戦国時代を読み解く」 を連載中2020年よりYahoo!公式コメンテーター。2021年8月「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)を発刊。