見解昨年度の賃上げ率が30年ぶりだったにもかかわらず、名目賃金上昇率が一昨年度の+1.9%から+1.3%に鈍化していることからしても、いかに春闘賃上げ率がマクロの賃金動向を表さないかがわかるでしょう。 なお、仮に昨年の賃上げ率と名目賃金の関係が今年度も成立するとすれば、今年度の賃上げ率は昨年度より1.5ポイント程度上昇してますから、名目賃金は+2.8%程度が期待されます。 ただ一方で、政府や日銀が見通す今年度のインフレ率は+2%台後半となってますから、やはり今年度の実質賃金がプラスになるかどうかはかなり微妙だと思います。
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コメンテータープロフィール
1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業後、第一生命保険入社。1998年日本経済研究センター出向、2000年より第一生命経済研究所経済調査部、2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了、2016年より現職。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。専門は経済統計、マクロ経済分析。著作に「経済危機はいつまで続くか」(平凡社新書)、「MMTとケインズ経済学」(ビジネス教育出版社)等。