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永濱利廣

永濱利廣

認証済み

第一生命経済研究所首席エコノミスト

報告

この春の値上げは、3月以降のウクライナ戦争の影響があまり反映されていないことには注意が必要です。 というのも、電気料金は3カ月前までの3か月間の化石燃料の輸入価格に基づいて価格が改定されますので、ウクライナ戦争を受けた原油高を反映するのは6月分からです。 また、今日から17%値上がりする政府の小麦売り渡し価格は3月一週目までの半年間の輸入小麦価格に基づいています。このため、ウクライナ戦争の影響が反映されるのは次回10月の価格改定時であり、このままいけば40%以上値上がりする可能性があります。 なお、2008年の時も小麦価格が上がって、本来の政府売り渡し価格が38%上がる計算でしたが、政府が上げ幅を30%抑制しましたので、今回もそうした対応がとられる可能性があります。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 花輪陽子

    シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

    日本の値上げは海外と比べると企業の努力や政府の補助などで守られており、上がり幅が穏やかではあると感じ…続きを読む

コメンテータープロフィール

永濱利廣

第一生命経済研究所首席エコノミスト

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業後、第一生命保険入社。1998年日本経済研究センター出向、2000年より第一生命経済研究所経済調査部、2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了、2016年より現職。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。専門は経済統計、マクロ経済分析。著作に「経済危機はいつまで続くか」(平凡社新書)、「MMTとケインズ経済学」(ビジネス教育出版社)等。

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