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村野将

村野将

認証済み

米ハドソン研究所研究員

報告

見解「より重要なのは中国を台湾の軍事的統一に走らせないような外交アプローチ」「積極的な中国関与政策」とありますが、日本が本腰を入れて防衛力強化に乗り出したのは、ここ5年ぐらいの話であり、それまで何十年もの間、外交アプローチを重視してきました。 そして、その関与政策は奏功しなかった。中国の軍拡や台湾・東/南シナ海における強制行動は、軍事的後ろ盾の弱い外交では阻止できなかったのであり、その失敗の結果を今の我々が負っているのです。防衛力強化を腐して、上記のアプローチがうまくいくというなら、なぜ今こんな厳しい安全保障環境になってしまっているのか、過去の失敗をきちんと総括する必要があるでしょう。台湾を守れなかった場合、日本の安保環境はより厳しいものになり、必要な防衛費も2、3%どころではなくなります。そもそも、日本有事になるかどうかを決めるのは中国であり、我々に選択の自由があるとは思えません。

コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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