見解ワシントンでは、ここ1年ほど「ロシアと北朝鮮が接近したら、中国はどう出るか」という議論が続いてきました。ロシアの後ろ盾を得た北朝鮮が、強気になって朝鮮半島周辺で混乱をもたらすと、中国としては「せっかく欧州や中東に分散されていた米国の関心がアジアに引き戻されてしまって迷惑」というのがあるのでしょう。また、北朝鮮への影響力が相対化されてしまうのは面白くないとも思っているはずです。 「ならば、そこにこそ米中が対立を緩和し、北朝鮮問題で協力する余地があるのでは?」という考えもあるかもしれませんが、過度な期待は持たない方がよいでしょう。なぜならそういう場合、中国は最初にロシアと直接話をしようとするからです。中国にとってロシアは、影響力を競い合うライバルではあっても完全な敵ではありません。程度の差こそあれ、「米国をいかに弱らせるか」という点では、中朝ロの利害は一致しています。
コメンテータープロフィール
岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)
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