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村野将

村野将

認証済み

米ハドソン研究所研究員

報告

補足米国防省が昨年10月に公表した年次報告書でも、中国の核弾頭保有数は(2023年5月時点で)500発以上と推計されていましたから、SIPRIもそれを踏襲というか、概ね似た見積もりであることを裏付けた形です。 また重要なのは、数だけではなく、「どのような」弾頭が増えているかです。中国の最新型ICBM/DF-41は、現在同種の弾頭をおよそ3発搭載することができると考えられますが、弾頭の搭載スペースそのものは、最大10発程度の弾頭を搭載する余裕があると言われています。にもかかわらず、現時点での搭載数が3発程度に限られているのは、弾頭1発あたりの重量が重すぎるためです。 従って、中国がDF-41の多弾頭ICBMとしての能力を最大限に活かそうとすれば、弾頭のさらなる軽量化・小型化が必要となります。そのために、中国には核実験を再開する潜在的動機があるということです。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 高口康太

    ジャーナリスト、翻訳家

    補足米国防総省は中国が保有する核弾頭は2030年までに1000発にまで増加すると予測しています。弾頭を増…続きを読む

コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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