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村野将

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米ハドソン研究所研究員

報告

補足マッハ5を超える非常に速いスピードで落下してくる弾道ミサイルと比較して、相対的に速度が遅く、迎撃されやすい巡航ミサイルや自爆ドローンを攻撃に使用する際には、こうした飽和攻撃が基本となります。 より高度な防空システムで守られた軍事目標を攻撃する際にも、基本的なアプローチは同じです。例えば、イージス艦に守られた敵艦隊を攻撃する際には、ミサイルの電子的特徴を模倣した安価な囮のドローンを数十発発射しつつ、本物の巡航ミサイルを40〜60発を一斉発射して、敵のレーダーリソースや迎撃ミサイルを飽和させ攻撃の成功確率を高めます。 現在、日本政府は米国から400発のトマホークを取得することを決めていますが、巡航ミサイルの基本的な使い方を考えれば、これは数日、早ければ数時間であっという間に撃ち切ってしまう量であることがわかるでしょう。決して「爆買い」ではないのです。

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    軍事/生き物ライター

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コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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