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森井昌克

森井昌克認証済み

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神戸大学 名誉教授

報告

見解今回の不正は法律に基づく運用、手順を守らず、杜撰に扱ったことです。今回のような秘密事項(特定秘密)を扱う場合、その都度、適正評価を受けなければならないにも関わらず、担当者らはその手続きが面倒ということもあり、勝手に法律を拡大解釈し、手順を、いわゆる改ざんを行ったことにあります。本人らにはほとんど自覚がないはずです。この件に限らず、情報漏えい等の事件は厳格に守るべき規則や手順を守らないことです。それも意図して守らないのではなく、自分の都合の良いように解釈し自分自身を納得させるのです。牽強付会と言われます。たとえば特定の場所(部屋)でしか情報を扱ってはならない規則であっても、同じ建物だから隣の部屋でも構わないと勝手に解釈するようなことです。これが積み重なり事故につながります。今回も幸いにして情報漏えいには至っていませんが、更なる拡大解釈が続けば大きな事故に結びついたことでしょう。

コメンテータープロフィール

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。

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