補足無条件での最大の素数発見者ではありませんが、Cullen素数という特殊な形の元最大素数発見者で7年間のタイトルホルダーとしての研究者としてコメントします。この最大素数というのも、確かに人類が知っている最も桁数の大きな最大の素数なのですが、メルセンヌ素数という2のn乗のマイナス1 [(2^n)-1]という特殊な形をしています。この理由はメルセンヌ素数であれば、比較的高速に素数判定すなわち素数であるか否かを判定できるためです。ほぼ素数に間違いないという確率的素数判定法という方法があり、この方法で的(素数候補)を絞って、素数であるか否かを厳密に証明するのです。この証明に計算が必要で、今回のような莫大な計算資源が必要となります。数十年前までは、スパコン等で計算してましたが、それでは計算できず、現在では何万台、何十万台というGPUを含む計算機で協調分散的に計算しています。
コメンテータープロフィール
1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。
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