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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説米国では早速、逮捕状に関わったICC関係者への制裁の動きが活性化している。5月、ICCが逮捕状の請求に踏み切った際、米CNNのインタビューに応じたICCのカーン主任検察官は、米政府関係者から「ICCはアフリカやプーチンのような悪党のために作られたものだ」と、これ以上事を進めないよう圧力をかけられたと語っている。 先日、国連安保理でガザ停戦決議案が、米国の拒否権で葬り去られたばかりだ。決議案に反対したのはアメリカ一国だった。米国が今回の件でICCへの批判をいよいよ強めるならば、トランプ政権に代わる前にすでに、米国の孤立は決定的になるのではないか。米国はICCに加盟していないが、ロシアのプーチン大統領に逮捕状が出された際には、「法の支配」の観点から歓迎した経緯がある。このときと、イスラエル首相・元大臣への逮捕状への態度の違いについても、国際社会からの批判が高まっている。

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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