世界第2位の小麦生産国であるインドは、一部を除き小麦の輸出を禁止した。インドは世界の穀物備蓄量の約10%を占めており、世界的な供給不足を補うことができる国として、注目されていた。インドは4月、備蓄から世界に供給する用意があると述べていたが方針変更となった。背景にはインドで現在進行中の熱波と気温の上昇が今年の収穫に影響を与える可能性があり、方針転換の一因となった。iインド政府は、公式的には小麦価格急騰が食料安全保障を脅かしたことを理由としている 輸出禁止は、拡大する飢餓の脅威に対抗する国際組織にとって打撃となりうる。国連機関の世界食糧計画は、食糧価格の高騰と肥料不足という既存の危機に加え、ウクライナ戦争の波及効果によってさらに4700万人が飢餓状態に陥る可能性があると警告している。
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コメンテータープロフィール
農・食・地域の未来を視点に情報発信する農業ジャーナリスト。龍谷大学兼任講師。京都大学農学研究科に在籍し国内外の農業や食料について研究。農場「耕し歌ふぁーむ」では地域の風土に育まれてきた伝統野菜の宅配を行ってきた。ヤフーニュースでは、農業経験から農や食について語る。NPO法人AMネットではグローバルな農業問題や市民社会論について分析する。有料記事「農家ジャーナリストが耕す「持続可能な食と農」の未来」配信中。メディア出演歴「正義のミカタ」「めざましテレビ」等。記事等に関する連絡先:kurodaira1974@gmail.com(お急ぎの方は連絡先をご教示くだされば返信します)。