解説著作権の制限規定である著作権法第三十条の四(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)は、AIの開発(学習)作業を無条件で認めている訳ではなく、「その必要と認められる限度において」、「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合」を除外しています。こうした除外ケースについて裁判例の集積がないために、今回文化庁は、著作権侵害の実例収集により一定の指針を検討するという画期的な対応を行なっています。
コメンテータープロフィール
早稲田大学、琉球大学法科大学院、関西学院大学商学部・法学部、同志社大学商学部の各講師。最先端法務研究会座長。早大法卒、ジョージタウン大ロースクール法学修士、General Motors Institute優等修了、ハーバードロースクール交渉戦略プログラム修了。いすゞ自動車法務部課長、アップルコンピュータ、クレディスイス生命保険各法務部長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、大宮法科大学院大学教授、一橋大学法科大学院講師等を歴任。専門は法律・知的財産・IT・海外法務・M&A・人工知能・自動運転・創薬等。著書は「初めての人のための契約書の実務」等77冊を数える。