Yahoo!ニュース

牧原出

牧原出認証済み

認証済み

東京大学先端科学技術研究センター教授

報告

解説政治主導の責任は政治が負わなければなりません。すでに担当大臣は退任していますが、同じ政権の枠組みである以上現政権が負うことになります。将来的にデジタル化する方が効率的であることは間違いないとしても、そのために当面の混乱をどうするのか。デジタル行政全般に生じがちな問題ですが、これまでは個別領域での混乱に終わったのですが、今回は1億2000万人の全国民を巻き込んでいる問題になっています。当初十分想定された問題であればいいのですが、そうでないとすると状況次第では「消えた年金」問題のように自公政権そのものの制度疲労と位置づけられる可能性もあります。そうなると来夏の参議院選挙の争点になる可能性もあります。何にもまして、混乱を回避するような措置が政権には望まれるでしょう。また野党は単にブレーキをかけるのではなく、よりよいデジタル化に向けた建設的な提案が必要です。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説旧来の保険証を国民の合意もなく廃止すれば、それに対する混乱が起こることは当然予想できたはずだ。 これ…続きを読む

  • 花輪陽子

    シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

    補足医療に関しては、急な事故などで準備ができずに病院に搬送されることもあります。そんな時に保険資格を確認…続きを読む

コメンテータープロフィール

牧原出

東京大学先端科学技術研究センター教授

1967年生まれ。1990年、東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授などを経て2013年より現職です。 官僚制の歴史研究と政治家・官僚へのオーラル・ヒストリーを用いて、日本政治を研究しながら、現在の政治・行政をウォッチしています。著書に『 内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)、『権力移行』(NHK出版)、『「安倍一強」の謎』(朝日新聞出版)、『崩れる政治を立て直す』(講談社)など。

牧原出の最近のコメント