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牧原出

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東京大学先端科学技術研究センター教授

報告

解説民主党政権の混乱の多くは、鳩山・菅政権で生じており、野田政権は、党の分裂があったとはいえ、その後の日本を見据えた財政再建の道を作ったことは評価できる。安倍政権も三党合意の消費増税を完遂したことからもそれは明らかである。自民党が政治資金問題に苦しみ、未経験の総裁が誕生する可能性が出る中、仮に野田氏が代表となった場合、自民党と野党とどちらに信頼が集まるかは分からない。新総裁の下、派閥が機能しない自民党は、かつての民主党のように混乱する可能性もかなり高い。つまり「疑似民主党」となるのである。そうなると、野田民主党vs.未経験総裁疑似民主党(としての自民党)という対決構図となり、与野党拮抗するという局面もありうる。もちろん立憲民主党の代表が誰になるかは分からないが、次第に日本政治は新しい局面に入りつつある。

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    フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

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コメンテータープロフィール

牧原出

東京大学先端科学技術研究センター教授

1967年生まれ。1990年、東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授などを経て2013年より現職です。 官僚制の歴史研究と政治家・官僚へのオーラル・ヒストリーを用いて、日本政治を研究しながら、現在の政治・行政をウォッチしています。著書に『 内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)、『権力移行』(NHK出版)、『「安倍一強」の謎』(朝日新聞出版)、『崩れる政治を立て直す』(講談社)など。

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