私のディーラー時代の経験から、本当に稼げるディーラーはせいぜい1割程度、半分以上のディーラーは年間ベースで損失を発生し、残りがかろうじてプラスとなる。私はそのかろうじてプラスを10年以上継続できたが、これもむしろまれなケース。このディーラーとは「プロ」の債券ディーラーのことであるが、株式だろうがFXだろうがたぶん同様であると思われる。何を言いたいのかといえば、運用でもしっかり収益を出せる人は限られるということ。プロ、もしくはプロらしき人でも疑ってかかることが必要だと思う。アプリを使ったチャートなどはいくらでも修正は可能なので、投資をする、もしくは資金を預けるのであれば、その資金の投資先の商品のことをまずしっかり調べる必要がある。間違っても口車に乗ってはいけない。投資は簡単ではない。楽器の演奏でも野球でも本当に稼げる人は全体のわずかでしかなく、それは投資も同様だ。
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コメンテータープロフィール
フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。
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