解説今回の事案は、加害者は母親なのか母親の交際相手なのか、あるいは両方なのかなどが、まだ明確にはなっていません。 警察庁の令和5年児童虐待のデータによると、2,419人の加害者が認知されています。その中で被害児童と加害者の関係で、最も多いのは「実父」が44.2%です。そして次が「実母」26.9%です。そしてその後に「養父・継父」16.1%「内縁の男性」6.9%と続きます。実親が加害者として最も多いのですが、その次に直接血のつながりのない男性が、加害者として位置付いています。男性が全体の71.0%を占めているのも特徴的です。 まだまだ我が国において子育ての中心的な役割を担っているのは、母親・女性の場合が多いです。しかし一方で、児童虐待の加害者においては圧倒的に、父親・男性が多くなっているのです。育児に関わる男性の教育や支援をより積極的に進めていく必要性を感じます。
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コメンテータープロフィール
大阪教育大学健康安全教育系教育学部教員養成課程家政教育部門 (保育学) 教授。元大阪教育大学附属天王寺小学校長。2009年関西学院大学大学院人間福祉研究科後期博士課程満期退学。西宮市市役所初の男性保母として採用・市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」三人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験を持ちに「父親の育児支援」研究を始める。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。NPOファザーリングジャパン顧問。各自治体の委員を務める。
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