オレンジ飲料 相次ぐ販売休止 減産で輸入果汁高騰
日本農業新聞
解説オレンジジュースは、世界の輸出入市場で取引される7割以上がブラジル産になっていますが、そのブラジルの天候不順によって価格が高騰し、供給制約も強くなっています。米国の冷凍オレンジジュース先物価格(ドル建て)は、2020年のパンデミック前と比べて3~4倍の価格水準を推移しています。最近の円安の影響もあって、これまでのような価格での提供は難しくなり、そもそも調達も困難になりつつあります。値上げ、販売停止の他、ミカンなど代替品の混合などの対応もみられます。 そして、カカオ豆、インスタント用ロブスタコーヒー、オリーブオイルなどでも同様の動きが観測されています。何れも異常気象の影響が大きくなっていますが、特に生産地が集中している食品原材料の価格・供給環境が不安定化しています。異常気象が頻発する時代、生産地の分散が求められますが、工業品とは異なり農産物のサプライチェーンの再構築は容易ではありません。
1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。