見解北朝鮮は何かにつけて「思想戦」を強調するが、北朝鮮兵の思想の弱さは世界最低レベルだろう。一般兵士の相当数は栄養失調状態にあり、マシな供給を受けている暴風軍団の兵士たちもその実態は知っている。入隊前までの人生も理不尽な現実の連続で、祖国に命をかける価値があるかどうか、疑問を抱いているはずだ。もちろん、北朝鮮当局も投降防止の手は打っているだろう。それでも、北朝鮮兵の思想的な基盤は弱い。逆に、たとえば米軍の場合は、覇権国のプライド、自由主義の守護者としての責任感、そして何より「自分たちは無敵で誰にも負けない」という自信が忠誠心を裏打ちしている。問答無用で外国に連れていかれた北朝鮮兵に、そんなものはない。投降させられるかどうかは、ウクライナ側の工夫しだいだと思う。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。９８年から９９年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』（新潮社）『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)（花伝社）など。YouTube「高英起チャンネル」でも独自情報を発信中。
関連リンク（外部サイト）
