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木村元彦

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ジャーナリスト ノンフィクションライター

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補足台湾のスポーツ界における先住民族(台湾では原住民と自称することが多い)の貢献度ははかりしれない。古くは日本統治時代に甲子園で活躍した嘉義農林高校のナインの多くはアミ族であった。アミは特に運動能力に優れていて、戦後はローマ五輪で10種競技において銀メダルを獲得した楊伝広や中日ドラゴンズで活躍した郭源治もこの部族の出身である。(ドイツのバンドであるエニグマにサンプリングされたリターントゥイノセンスもアミの民謡であり、録音されていたのは郭の親戚の歌声であった)台東の集落ではそれぞれの自宅があまりに近い事に驚いた。民族アイデンティティを大切にするという流れは大きなうねりとなっており、かつて蘭嶼島でヤミ族と呼ばれていた人々は、日本人学者の鳥居龍蔵につけられた名前としてこれを嫌い自らタオ族と名乗り出した。自然で正当な流れである。漢字読みのキチリキキチロウキョウカンでは、本人も誰のことか理解できない。

コメンテータープロフィール

木村元彦

ジャーナリスト ノンフィクションライター

中央大学卒。代表作にサッカーと民族問題を巧みに織り交ぜたユーゴサッカー三部作。『誇り』、『悪者見参』、『オシムの言葉』。オシムの言葉は2005年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞、40万部のベストセラーとなった。他に『蹴る群れ』、『争うは本意ならねど』『徳は孤ならず』『橋を架ける者たち』など。

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