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木場紗綾

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神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

報告

解説インドネシアでは民主化後、現役軍人は選挙に立候補することだけでなく投票することも禁じられています。スハルト政権下で起こったような軍の政治介入を防止するためですが、このような奇抜な策を講じているわりには、裏では文民政治家は軍や退役軍人と結託して軍の既得権益を守っています。大統領が迷彩服姿で母校を訪問する図は、現役の若い軍人らの士気を高めるには有効かもしれませんが、民主化と国軍改革の形骸化の象徴ともいえます。民主化と改革の経緯を記憶する人々は、就任早々のこのようなパフォーマンスに不安を覚えるのではないでしょうか。

コメンテータープロフィール

木場紗綾

神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

神戸大学大学院国際協力研究科修了(政治学博士)。フィリピン大学研究員、在フィリピン日本国大使館専門調査員、在タイ日本国大使館専門調査員、衆議院議員秘書などを経て現職。専門は東南アジア政治、国際協力論。防衛大学校グローバルセキュリティセンター共同研究員。技能公募予備自衛官(英語)。近著に、Pathways for Irregular Forces in Southeast Asia: Mitigating Violence with Non-State Armed Groups (Routledge, 2022年)、『アジアの安全保障2021-2022』(朝雲新聞社2021年、共著)など。

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