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川島真

川島真

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東大教授

報告

解説日本は長い間、防衛費をGDP1%に抑制し、ようやく増額する決断をした。それに対して、中国の国防費は十年間でほぼ倍増、1990年代からの三十年間で見ればほぼ40倍になった。中国の国防費は毎年過去最高を更新している。その中国に「近隣国の懸念」などと言われたら、日本の国民は納得しない。他方、中国国内では、日本が軍事力を増強し、日米同盟が強化されているから、それに対抗して中国は国防費を増額しなければならないという論理が強調される。全くのパラレルワールドだ。このままではお互いに相手を責めながら軍事費を増大化、軍備を強大化させるセキュリティ・ジレンマが続く。だが、セキュリティ・ジレンマとはいっても、日中双方の軍備強化が同じペースで進んでいるのではない。中国の方が圧倒的にペースが速く、また核弾頭増加計画をはじめ「現状変更」的だ。中国側の今回のような「口撃」に対しては適切に情報発信して対処すべきだろう。

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    米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

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    ジャーナリスト、翻訳家

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コメンテータープロフィール

専門はアジア政治外交史。中国・台湾の現状についても関心を持っています。

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