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川上泰徳

川上泰徳

認証済み

中東ジャーナリスト

報告

見解ガザ北部で援助物資のトラックに殺到した群衆に向けて、イスラエル軍が砲撃して100人が死んだという情報について、イスラエル軍は否定しているが、ガザ北部のように戦闘地域にいるパレスチナ人を民間人とみなさないというのが同軍の立場であり、今回の攻撃を否定しても説得力はない。一方、ガザで死者3万人を超えた2月29日は、イスラエルの攻撃が始まって146日目であり、一日平均200人以上が死んだことになる。イスラエル軍の爆撃、砲撃で度々避難所、住宅ビルが破壊され、一か所で100人以上殺される虐殺が繰り返されて、3万人の死者数となったと認識する必要がある。ここにいたるまで、米欧日本、アラブ諸国がイスラエル軍の極めて戦争犯罪の疑いが強い民間人・民間地域への攻撃を許してきたことが重大な問題である。この機会に攻撃を停止させることができなければ、イスラエル軍のラファ進軍・攻撃で、新たな虐殺を許すことになる。

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コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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