見解「芦原先生に申し訳ない」。その言葉がなぜもっと早くにトップの口から聞けなかったのか?。何十ページにも渡る日本テレビの調査書にさえ、該当する文言は見当たりませんでした。その類の言葉を避けているかのように映りました。調査書が公開された5月末にいくつかのメディアに私自身コメントを寄せましたが、そこが極めて何より残念でなりません。 もしもっと早くに日本テレビサイドが、真摯な自己反省に則ったスタンスに立つことができていれば、ここまでのことにはならなかったでしょうし、何より芦原先生は命を失うことはなかったかもしれません。 今回のお詫びはお詫びとして一定の評価はしたいとは思いますが、同時に決して十分なものとは言えないと多くの人が捉えることでしょう。もちろん私もその1人です。遅きに失した感が拭えません。 日本テレビのみならず、業界全体として決して、絶対に、2度と、繰り返してはならない重要なことです。
コメンテータープロフィール
同志社女子大学メディア創造学科教授 コラムニスト 。早稲田大学政治経済学部卒 関西学院大学大学院文学研究科博士課程中退毎日放送(MBS)プロデューサーを経て現職 。専門は「メディアエンターテインメント論」。朝日放送(ABC)ラジオ番組審議会委員長 /スポーツチャンネルGAORA番組審議会副委員長 日本笑い学会理事/「影山貴彦のテレビ燦々」(毎日新聞)等コラム連載。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」「テレビのゆくえ」「おっさん力」等